若年性リウマチ:リウマチの症状と治療

若年性関節リウマチ

若年性関節リウマチは多彩な症状を示すことがあるため,大人の関節リウマチとは区別されている.

患者が小児である場合,以下の点について大人の関節リウマチとは異なる.

●小児に使用できる薬が限られているため,リウマチの活動性を抑えるのが困難になる.

●若年性関節リウマチは全身性の炎症のため,いろいろな成長障害が起こる.

 身長について言えば,リウマチの活動性が続いている期間が長いほど標準と比べて身長が低くなっている.

 特にステロイドには身長の伸びを抑える作用があるため,ステロイドを使用すると低身長の傾向が著しくなる.

 また関節運動が行ないづらく,骨の成長に障害を及ぼすことがある.   このように小児は成長の過程にあるため,慢性の病気が起こると成長が障害されてしまう.

●小児期では痛みを伴うリハビリテーションなどには協力してもらえず,運動療法が難しくなる.

 遊びの中に組み込んで,楽しくできる工夫が必要になる.

このほか,学校生活との両立や,進学・就職といった問題にも向き合っていかなくてはいけない.

長い目で見た治療プログラムに沿っての生活が必要だが,病気があっても,自分なりに納得して人生を前向きに生きられるよう,周囲がサポートしていくことも大切だ.

同じ病気の子どもを持つ親の方々の会(「あすなろ会」がある)に参加して,情報交換するのも,子どもを支える上での励みになると思う.

若年性関節リウマチの症状

お子さんから「骨が痛い」と訴えがあると,「うちの子,小児リウマチではないかしら」といわれるお母さんがいらっしゃいます.

その痛みがわかってあげられないだけに,子どもの病気や怪我は親にとって大きな心配ごとだ.

まず痛がっている部分はどこだろうか.

膝が夜間に痛む場合は「成長痛」であることが多い.

成長痛とは,骨がまだ成長の途中でしっかりと固まっておらず,飛び跳ねたりすることで膝が刺激を受け,痛みが生じる状態だ.

「小児リウマチ」である場合は,いつも痛みが生じており,痛む部分は膝に限定されず,手や足など全身の関節に複数出ることが多い.

小児リウマチ疾患のうち,もっとも多いのが「若年性関節リウマチ」だ.

16歳までの子どもがかかる関節リウマチを「若年性関節リウマチ」と呼び,大人の関節リウマチと区別されている.

その症状と経過から,「全身型」「多関節炎型」「少関節炎型」の3つに分類されている.

若年性関節リウマチで特徴的なのは,大人の関節リウマチに比べ朝のこわばりが著しいことだ.

まだ言葉でうまく症状が伝えられない幼児だと,目覚めが不機嫌で床から起きようとしないこともある.

首や手,足のこわばりが原因だが,これは昼ごろになるととれてくる.

また発熱もみられ,38度以上の高熱が出ることも多く,上がり下がりを繰り返する.

発熱に伴い,胸,手,大腿部,背中,顔などに発疹が現れることもある.

高熱と発疹は,「全身型」でよくみられる症状だ.