関節リウマチの進行
関節リウマチは,関節に慢性的な炎症が起こり,痛みや腫れが生じる病気だ.
炎症が長引くと,関節周囲の骨や軟骨などが破壊されていく.
【初期】 関節を包む「滑膜」という組織に炎症が起こることから始まる.
炎症により滑膜が増殖し,厚く腫れ上がる.
関節液が大量にたまり始め,こわばりや痛み,熱感が現れ始める.
【中等度】 滑膜が増殖し,軟骨を侵食していく.
関節周囲の筋肉が萎縮し始めるが,関節自体の変形は起こっていない.
【高度】 軟骨だけでなく,骨まで侵食・破壊された段階で,筋肉の萎縮も進みる.
動きが悪くなり,関節にも変形が見られる.
骨と骨が噛みあわない「脱臼」が起こることもある.
【末期】 破壊が進み,骨と骨がくっついてしまう.
痛みはやわらぎますが,関節はまったく動かなくなる.
このように,関節の破壊・変形が進行すると,その部位によって日常生活に不自由な面が出てくる.
しかし,薬物療法を早い段階から取り入れることにより,重症化する前に症状をやわらげられる例も増えている.
中でも特効薬とされる抗リウマチ薬だが,効き目が現れるまでに時間がかかるため,即効性のある非ステロイド抗炎症薬や,場合によってステロイド薬を併用する.
【初期】【中等度】の段階で薬物療法の効果が現れにくい場合は,滑膜切除術や人工関節術などの手術療法も考えられる.
手術によりリウマチ自体を治せるわけではないが,炎症の起きた滑膜を取り除くことで,進行性を,ある程度の期間,沈静させることが可能となる.
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