関節リウマチの原因として考えられること
なぜ関節リウマチが起こるのか,病気の原因は今のところすべて解明されたわけではないが,免疫システムの異常がかかわっていることが明らかになってきた.
免疫とは,病原体などの異物(「抗原」という)が体内に侵入してきたときに,異物を攻撃する武器(「抗体」という)を作って,異物を対外へ排除するシステムのことをいう.
この免疫システムになんらかの異常が起きると,さまざまな病気を引き起こする.
例えば花粉症や食物アレルギーなどは,特定の花粉や食べ物の成分などに過剰に反応してしまうという免疫システムの異常によるものだ.
これらの免疫反応の標的は,あくまでも体外から体内に侵入した異物だが,なかには,本来なら免疫反応を起こさないはずの自分の体を構成する成分を異物と間違えて抗体を作り,自分自身を攻撃してしまうことがある.
このような病気を「自己免疫疾患」といい,関節リウマチはこの自己免疫疾患のひとつになる.
関節リウマチの患者さんのおよそ7割が「リウマチ因子」と呼ばれる特有の自己抗体をもっている.
このリウマチ因子が,本来なら自分の体を守るために働く免疫グロブリン(Ig)の中のIgGという抗体に反応して,トラブルを起こする.
但し,このリウマチ因子は,健康な人でも持っていたり,逆にリウマチ因子を持たない関節リウマチ患者さんもいます.
そのため,リウマチ因子を持っていることだけが関節リウマチを起こす原因とは言い切れませんが,発病と密接な関係があり診断に重要な要素であることは間違いないだろう.
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