女性に多い関節リウマチ
関節リウマチの患者さんのうち,およそ80%が女性だ.
全国で70万人と言われる患者さんのうちの80%だから,女性としては不安をあおられるような数だよね.
なぜ女性に多く発病するのだろうか.
実は関節リウマチに限らず,膠原病の代表格である「全身性エリテマトーデス」などを含む自己免疫疾患の多くが,男性より女性に多くみられるのだ.
その理由については,女性ホルモンと妊娠・出産の影響が指摘されている.
女性ホルモンの中には,プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)やエストロゲン(卵胞ホルモン)など自己免疫反応を高める働きをするものがある.
また,妊娠・出産をスムーズにするために,男性より免疫機構が複雑になっている.
例えば妊娠中は,胎児を異物と見なさないようにするため,ステロイドホルモンの産生が増えて免疫の働きが抑制される.
妊娠期間中に関節リウマチの症状が軽くなり,出産後に症状が悪化する事例がよくあるのは,このためだ.
また,出産後に免疫の抑制が解除され,一時的に免疫の働きが高まり,その際に自己免疫疾患が起こりやすいと言われている.
このように,女性ホルモンの性質や,複雑に免疫機構が働く中で,自己免疫疾患が入り込むすきも多くなってしまうのかもしれない.
リウマチ性疾患のなかには関節リウマチと症状のよく似た「痛風」がある.
風が吹いても痛い,と言われるほどの激痛が走る病気だが,こちらは圧倒的に男性に多いそうだ.
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